
運用エンジニアのキャリアパス
「日々の運用業務は責任が重いのに、待遇が見合っていない」
「DevOpsやSREといった新しい技術に触れる機会がなく、将来のキャリアが不安だ」
ガートナー社の最近の調査で、国内の多くのIT運用担当者が、このような待遇面や労働環境、キャリアパスに対する強い不満を抱えていることが明らかになりました。
もし皆様の中に、同様の想いを抱えている方がいらっしゃるとしたら、それは決してあなた一人の悩みではありません。
しかし、この根強い「不満」は、実はIT運用という仕事が大きな変革期を迎えていることの証左なのかもしれません。
Gartner、国内のIT運用担当者は、待遇面や専門スキル獲得機会に関する不満/不安が根強いとの調査結果を発表(7/1)
https://www.gartner.co.jp/ja/newsroom/press-releases/pr-20250701-itops-survey?bownowmail=sid_6a52ad610f4a72ac96c2:c27f6029-3ef1-4544-80d7-d152512f8721
ここで、少し前ですが、同じくガートナー社が発表した、もう一つの興味深い未来予測をご紹介します。
それは、「2028年までに、AIや自動化では代替できない、人間の専門知識を要するITサービスは、
最低でも20%のプレミアム価格で取引されるようになる」というものです。
Human expertise in IT services to command premium amid AI automation(英語)
https://cio.economictimes.indiatimes.com/news/next-gen-technologies/human-expertise-in-it-services-to-command-premium-amid-ai-automation/118684140?bownowmail=sid_6a52ad610f4a72ac96c2:c27f6029-3ef1-4544-80d7-d152512f8721
これは何を意味するのでしょうか?
つまり、これまで多くの運用エンジニアを悩ませてきた「定型的なオペレーション」や「単純な監視業務」は、
今後急速にAIや自動化ツールに置き換えられていきます。
そして、その先には、AIを使いこなし、人間にしかできない付加価値を提供できるエンジニアが、かつてないほど高く評価される未来が待っているのです。
今後のIT運用エンジニアのキャリアは、間違いなく二極化していくでしょう。
すでにソフトウェア開発の領域では、AIによるコーディング時のアシスタントの領域を超えて、簡単なものであればいわゆるVibeコーディングで日本語のプロンプトだけで開発~リリースが出来ますし、コードのレビューやバグ修正の自動化が進んでいます。
システム運用の領域でも同様のAIによる作業の自動化が進んでいくでしょう。ログや各種メトリックからの状況分析はお手の物ですし、
今後の推定精度の向上が見込めれば、トラブルシュートの自動化も夢ではないでしょう。
つまりはITエンジニアの市場価値は2極化することが予想され、人間の専門性が要求される領域ではサービスの値段も上がり、
関連する人材の市場価値も上昇することでしょう。
市場価値が低下するエンジニア: 従来型の定型業務や手作業での障害対応に留まり、変化を恐れる人材。
市場価値が向上するエンジニア: AIや自動化を前提とし、より高度な視点・スキルを持つ人材。
現在感じている待遇や環境への不満は、決して悲観すべきものではありません。
それは、「今の仕事のままでは、未来はない」というシグナルであり、より価値の高い専門家へと進化するための絶好の機会と捉えることができます。
今こそ、定型業務から一歩踏み出し、未来の価値を創出するスキルへの投資を始めてみてはいかがでしょうか。


