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業務自動化における利害の不一致

工場の生産ラインの自動化などは、今では広く受け入れられ、特に食品関連では人が介在しない方が衛生面でもよろしいといった扱いです。駅の改札も「切符切り」の時代を知らない方も増えてきていると思います。

業務自動化は、組織にとって避けられない課題となっていますが、その実施においてマネージャーと現場作業員の間で深刻な認識の違いが生じることがあります。特にバックオフィス業務の自動化となると、いろいろな恨み・つらみが聞こえてきます。

最近読んだSNSの投稿ですと、「属人化懸念があるからExcelマクロは禁止」という現場で、50時間近くかかる手作業の自動化が禁止され、この対応に納得いかない担当者が、情シスに黙って自分の作業をマクロ化して数秒で終わるようにし、空き時間で他の業務を推進して成果を上げたと。

その担当が退職後に、後任が当然のように50時間近い手作業で処理するようになる。

不審に思ったマネージャが転職した先任に連絡した所、マクロ処理をしていたことを白状し、ルール上、メンテナンスも出来ないため、引継ぎも行っていないという事が分かったということでした。

これを「悪法も法なり」の視点から、コンプラ違反を咎める論点もありますし、キーボードの打鍵速度やツール操作の熟練度などの個人技の延長線上にマクロ作成があって、それを縛って生産性を落としているバカな運用例と見なすかは、人それぞれかなと思います。

立場・視点の違いにより、業務の自動化への取り組みのスタンスに違いがあり、それが障壁になる事は多々あります。

先の50時間作業も、「こんなのやってられるか!」とマクロ等で自動化する人もいれば、単調な手作業を淡々とこなすのが好きなので、自動化なんてとんでもないという方もいます。

マネージャークラスになると組織全体の最適化を目指しますので、ROIの最大化、業務プロセスの標準化などが視野にあります。

さらに経営を見るレベルになると、売り上げアップ、コストダウン、リスクダウンにつながるかが導入のモノサシになります。

一方、作業員側は雇用の安定性、既存スキルの活用が重視するポイントになりますので、自動化の結果として職場を追われることになったり、慣れない仕事に転属される気配があれば、抵抗することにつながります。

自動化して効率化したい現場 vs セキュリティ理由で却下する管理自動化してコストカットしたい経営 vs 仕事が変わることになるので抵抗する現場いろいろなシチュエーションを見てきましたが、特効薬はないのですよね。

業務自動化の成功には、組織全体としての理解と協力が不可欠です。マネージャーと現場作業員の双方が、それぞれの立場を理解し、共通の目標に向かって取り組む姿勢が重要となります。地道に調整して利害関係を合わせる、担当者の再教育の支援をするなどの十分な配慮が必要です。

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冨 洋一
冨 洋一
Kompiraシリーズ導入時のジョブフローセミナー、Kompiraメールマガジン執筆などを担当。 総研の研究部門、技術ベンチャーの技術責任者、アクセス解析ツールの商品開発部門長などを歴任。 Markezine Dayなどデジタルマーケティング関連の登壇実績多数。

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