2025/02/26
マスク流の大胆な業務改善
アメリカではトランプ大統領の就任以来、イーロン・マスク氏のDOGEを通じて行政組織の大改革を行っています。 各省庁の入出金記録などのデータベースの管理者権限のアクセス権を要求し、 過去のデータの監査を行って無駄な出費を洗い出すといったもので、 USAIDなどでの大量解雇や予算執行の一時停止を行ったことなどが報じられています。
高度に機微な機密情報を含むデータにDOGEが雇ったエンジニア
ある種の巨大な「カオスエンジニアリング」を行っているとも言えるこの動きは、 既存の民主主義というシステムや行政組織のレジリエンスを前提として、 その活動が一時的な機能不全になったとしても、 その後の再構築によってより効率的な組織が生まれるという信念に基づいているとも受け取れます。
ただ企業の不採算部門の切り捨てといった事例とは異なり、 行政組織の機能停止は国家の安全保障や国際関係にも影響を及ぼすため、 そのリスクは極めて高いと言わざるを得ません。 人間・組織の関係性の損失や情報の流れの分断、技術・知識の継承の途絶など、 その機能を一時的に停止させる事がどれだけの損失を生むかは、 事前に予測する事が困難です。
「大企業だから」、「関係者が多いから」などの理由で業務改善がなかなか進まないというケースも多々あるわけですが、 それらを遥かに超える規模感での刷新は、またに「大鉈を振るう」とはこういう事を言うのだなあと感心すると共に、 やり方が雑すぎて大丈夫なのかという心配なところもあります。
この超大規模な組織・業務改善プロジェクトは、その過程で生じる混乱や損失、最終的にどのような結末にたどり着くのか、 その過程を見守る事は、多くの専門家にとって非常に興味深い事象であると言えるでしょう。